2015年2月28日土曜日

学生紹介:幸洋子(修士2年)





Q お名前と作品名を教えてください。

幸洋子です。

作品名は、ズドラーストヴィチェ!です。
(ホームページ滞納してたっぽくてもうすぐ閉鎖のお知らせ来たんですけどまだ見れますね!お金払うことと、更新できるようにガンバリマす!)




Q 本専攻に入る前はどんなことをされていましたか?
 また、なぜ本専攻に入ろうと思いましたか?

美術予備校から逃げ、近くの映画館で時間をつぶしたりすることが多くなり、美大受験をあきらめ、絵を描くことをやめ、映像系の学部のある大学に進学したものの、バイトして遊んで、という退廃的な生活を二年くらい送っておりました。
大学三年生のときに初めてゼミでの発表で何か作品を作らなければいけない、となり、初めてアニメーションを作りました。https://vimeo.com/69725295
この時はアニメーションを作る、という意識ではなく、何か映像を作らなくては、と思ったものの、どうしよう?となり、、自分の描いたもので何かできないか、と単純に思い、作るに至りました。そこから、映像作るのおもしろいな…と火がつき、これは卒業したらあっさりとやめてしまう部活のような感じには終わらせたくないな…と強く思うようになりました。もっといろいろなものを作りたい、知りたい、と思うようになり、いろいろな手法でアニメーションを制作している人がいて、刺激が多そうな本専攻を受験しました。





日中韓共同制作にて韓国に行った際に24時間営業の服屋街で徹夜で買い物をする「ズドラーストヴィチェ!」幸洋子 「白いうなばら」米谷聡美 「月夜&オパール」シシヤマザキ 

Q 本作品を作ったきっかけを教えてください。

修了制作をどうしようか悩み、一日一回は企画を変える毎日が続いていました。部屋の中で考えていたらもう頭がおかしくなってきたプレゼン三日前、もう自分の頭では何も考えられない…外に飛び出して町の人と話でもしてなんか考えるか~!と最初に学校の海辺の前で出会ったおじさんに何やってるのかと話しかけました。おじさんは海辺で休憩をして、住む家を探しているようでした。職業は不明です。そのとき私も住んでいるアパートから早く引っ越しがしたくて、家を探しているという話をすると、じゃあ一緒に探しにいこうか!となり、おじさんに街を案内されることとなりました。おじさんの目線でいつもの街を歩いていると、街の違った風景が見えてきて、その日、結局夜まで伊勢佐木モールでおじさんと遊び、なんだかよくわからない一日だったけど、いい一日だったなあ…という感じで、忘れたくない一日となったので、この日の話を作品にしよう、となりました!





Q 制作プロセスを教えてください。

ネタを探しに飛び出す→シナリオを自分で喋ってみてタイミングつかむ→Vコンも定まらぬままとにかく作画

と言う感じです








Q 今回、何を一番重視して制作しましたか?

いろいろ手法を試したかったので、切り紙、クレイ、作画等、様々な手法で制作しました。
この先、どうなっちゃうの?と鑑賞者が予想しづらいまま適度に振り回せれたらいいなと思っていました。

ナレーションと台詞を誰が読むかで温度差がとても変わったので、他の人に読ませたり、自分で読んでみたり、スピードを変えたりしてちょうどいい距離感、鑑賞者への親しみやすさを探しました。
生っぽさを出したいと考えていたので、音は外ロケで実際に演技してもらって録音をしました。





Q 制作の合間にしていた気分転換は何ですか?

ラジオ体操第一、第二、池袋ウエストゲートパーク耳コピ(長瀬にはまる)




Q 在学中で一番印象に残った出来事は何ですか?

日々印象に残ることだらけなのですが、最近ですと、
とても作品を楽しみにしていた同期の円香ちゃんが留年を決断したことと、その後、美容意識が一段と高くなり、謎の整体院に通い始め、ふと見ると顔や全身に、調子が良くなるという謎のマークのついた価格の高いシールを張っていることです。円香ちゃんの作品はたぶんきっと来年公開なので楽しみです!



幸洋子さんの作品「ズドラーストヴィチェ!」は横浜・東京会場共に「第六期生修了作品」プログラムにて上映いたします。 

学生紹介:山羊(修士2年)








お名前と作品名を教えてください。

「粃」 を制作しました山羊です。





本専攻に入る前はどんなことをされていましたか?
 また、なぜ本専攻に入ろうと思いましたか?

愛知の美術大学にいる時に卒業制作でアニメーションを制作し、はまりました。
アニメーションなら何か自分にしか出来ない表現が出来ると、、、、その当時は思い込んでました。
理想はあるけどまだまだ自分の作品は理想とはほど遠くてその理想に近づくきたくてにここを受験しまた。


本作品を作ったきっかけを教えてください。

今まで平面アニメーションを制作してきたのですが 、ずっと前から立体アニメーションを作ってみたいと思ってて、学生最後の年という事もあり、今しかないと思って立体アニメーションを制作しました。
あとは個人的な事情。


制作プロセスを教えてください。

春から考えていた企画をやめ、夏にこの企画に変えました。
そこからvコンテを作りつつも同時進行で物を作っていき、人形やカタツムリなど作って、撮影に入りました。
編集しつつ作画カットを作り、また編集して、音環さんに音楽や音響をつけてもらい、完成。






今回、何を一番重視して制作しましたか?

質感と生々しさと詩的な表現です。







制作の合間にしていた気分転換は何ですか?

音楽。


 


在学中で一番印象に残った出来事は何ですか?

一番印象に残った出来事、、、一番とかでなく印象に残った事は色々ありました、

ファンのジェレミークラパンさん(アニメーション作家)が学校に来て公開講座をして下さった時はひさしぶりにドキドキしました。画材にサインをかいてもらいました!!

あと公開講座でお知り合いになれたアニメーターさんや作家さんに作品を見てもらったり、スタジオを見学させてもらった事も印象深かったです。かなり貴重な経験、勉強をさせてくれて、またその方達の情熱と優しさが素晴らしかったです。

あと、一年の時の花火女装大会。





山羊さんの作品「」は横浜・東京会場共に「第六期生修了作品」プログラムにて上映いたします。 

2015年2月27日金曜日

学生紹介:米谷聡美(修士2年)





Q お名前と作品名を教えてください。

米谷聡美です。作品名は「白いうなばら」です。




Q 本専攻に入る前はどんなことをされていましたか?
 また、なぜ本専攻に入ろうと思いましたか?

高3の夏に初めて動画を描いて、それはスキップをする男の子のたった10枚程度の動画だったんですけど、自分の絵が動く事にものすごく感動して、絶対アニメーションで一本作品を作ってやる!と思い、地元宮城をはなれて神奈川に来ました。
大学では東京工芸大学のアニメーション学科、古川研究室(通称タクゼミ)に所属しアニメーションを学び、とにかく絵を動かす事が「楽しい」と考える毎日でした。
しかし学部のうちはそればかりで技術としてはまだまだな部分が多く、次のステップとして作品と自分に強みを身につけたいと思い、修行のつもりで本専攻に入学しました。




Q 本作品を作ったきっかけを教えてください。

2年前に大切な人を失い、伝えたいことがあってももう二度と想いを通わせることが出来ないという現実に直面しました。
この、溜まっていく一方である「言葉」や「感情」といったものをどうにかして消化したいと思ったのが制作のきっかけです。
頭のどこか片隅にある悶々とした感情を、時間が自然と解決してしまう前に自分の手で解放させることで、自分は本当の意味で前を向く事が出来、観客にも何か伝える事ができるのではないかと思い作り始めました。


 


Q 制作プロセスを教えてください。

頭に浮かんだイメージを一枚の絵に描き起こして、その絵を元にストーリーを考えて、それを何度も繰り返していくことで物語の内容を固めていきました。
今回は作品制作で初めて模型を作り、それを参考に作画しました。
紙粘土で作った本当に簡単な模型でしたが、構図を決める際に有ると無いとでは大違いで、作業がさくさく進みました。
彩色は全てパステルで行い、編集の段階で3Dレイヤーを使ったりもしました。


 


Q 今回、何を一番重視して制作しましたか?

親子の感情のズレと重さです。




Q 制作の合間にしていた気分転換は何ですか?

おいしいご飯を好きなだけ食べることと、人形の洋服を作る事です。


 


Q 在学中で一番印象に残った出来事は何ですか?

一番を決めるのは難しいですが、入学して最初の授業「立体演習」の編集作業をチームの子と行っている時、誰かが「本専攻の教授陣をまとめて一発で言えたら楽だよね~」と訳の分からぬ事を言い出し、徹夜で「岡村 有タルト(おかむら ゆ~たると)」という言葉を生み出し、お腹がよじれるほど笑いころげたことです。






米谷聡美さんの作品「白いうなばら」は横浜・東京会場共に「第六期生修了作品」プログラムにて上映いたします。

学生紹介:春成つむぎ(修士2年)





お名前と作品名を教えてください。

春成つむぎです。「Tepid Bath」を制作しました。


本専攻に入る前はどんなことをされていましたか?
 また、なぜ本専攻に入ろうと思いましたか?

ほそぼそと仕事をしながら暮らしていました。アニメーション専攻が立ち上がったときからずっと入りたかったです。本専攻の作品を外部で見かけると、ほかの学生作品と比べて音がずば抜けて高いクオリティだったことも入りたくなる要因の一つでした。





本作品を作ったきっかけを教えてください。

入浴中、考え事に集中しすぎて寝ているのか起きているのか分からなくなったり、時間の縮尺がおかしくなっていくような、全部曖昧になっていく感じがすごく不思議だな…と日頃から思っていた事がきっかけです。


制作プロセスを教えてください。

ノートや手帳にイメージのメモを描きためておいて、気になったものをピックアップしてTVPaintで絵に描き起こし、さらに枚数を重ねて動画にしていきました。制作中はよくお風呂につかっていました。





今回、何を一番重視して制作しましたか?

色味の気持ちよさ。





制作の合間にしていた気分転換は何ですか?

LINESkypeで友達としゃべりながら作業したり、何か食べたり、ゲームしたりです。


在学中で一番印象に残った出来事は何ですか?


色々ありすぎてここには書ききれないですが、鳩を追いかけまわして1年留年したことは忘れないと思います。
あとは、夏に江ノ島へ行って、服のまま海に入ってびしょびしょになって遊んだことです。びしょびしょのままおいしいものをたらふく食べて「幸せすぎて死ぬ!」とその場にいた全員で笑ったことはたまに思い出しても幸せな気持ちになります。
真夜中や夜明け頃にいろいろな話を延々としていた事も楽しかったです。多くの事を言わなくても分かってくれる仲間が沢山できたことは一番の財産だなあと思います。
家族よりも長い時間一緒にいて、寝起きして、食事して、同じ事を続ける人たちに囲まれる経験はこの先もないのではないかと思います。あったかくなると沢山出てくるゴキブリにみんなでギャーギャー言っていたのもいい思い出です。





春成つむぎさんの作品「Tepid Bath」は横浜・東京会場共に「第六期生修了作品」プログラムにて上映いたします。 

2015年2月26日木曜日

学生紹介:中内友紀恵(修士2年)





お名前と作品名を教えてください。

I'm here」を制作しました、中内友紀恵です。

[web] http://nakauchiyukie.hacca.jp/
[twitter] @yk1021


本専攻に入る前はどんなことをされていましたか?
 また、なぜ本専攻に入ろうと思いましたか?

中学・高校は吹奏楽部の活動に熱中していました。もうやりたくない!というくらいまでやったので、吹奏楽はきっぱりと止め、漠然と将来はデザインの仕事に就きたいと思い1年の浪人後多摩美のグラフィックデザイン学科に入学しました。
でもそこで出会ったアニメーションの授業が面白くて、気がついたらデザインではなくアニメーションを専攻していました。始めたならとことんやってみたかったし、面白そうな人が集まりそうだな〜という予感があったので、本専攻に進学しました。





本作品を作ったきっかけを教えてください。

何かを表現したいときの悶々としたエネルギーや、出口の見えない苦しさ、やっと何かに届いたときの喜びとか...そういう制作する人の苦しみや生き方を肯定したり、許したりするような作品が作りたいと思い制作をはじめました。




制作プロセスを教えてください。

私は音楽がないと映像を作れない質なので、まずはじめに作曲者を探しました。アニメーション専攻は毎年音楽環境創造科(以下音環)の学生とコラボレーションして作品を制作する流れがあるのですが、今年は修士2年の上水樽力さんとタッグを組み共同監督という形をとりました。

4月から月に1回、多いときで2回?の頻度で直接合って話し合うことを繰り返し、映像と音楽の制作を平行して進めました。お互いにとっての修了制作というところもあって、はじめは慎重にならざるをえない部分が多くて中々思うように進みませんでしたが、互いが意見を交換するうちにだんだんとチューニングが合ってくるというか、いい意味でずけずけ言い合えるようになってきたというか...笑 ハマるポイントが分かるようになってきて、何とか形になりました。上水樽さんは私の言葉ひとつひとつのニュアンスを凄く丁寧に拾って考えて下さる方なので、私もいいかげんなことを言わないようにしなくては...!と思っていました。本当に言葉ってのは難しいです...

あと上水樽さんはスコット・ブラッドリー(トムとジェリーの音楽をつくった作曲家)の研究者でいらしたので、そういったカートゥーンの音合わせの手法を使おうとか、私は以前から描いていた幾何図形のモチーフを使おうとか、互いが得意とするものを使っていこうという流れを大切にして、迷ったらそこに帰ってくるようにしていました。

ご覧頂くと分かると思うのですが、「映像を作った上で音楽を後から当てたパート」「音楽を作った上で映像を後から当てたパート」など、音と映像の関係性を変えながら進行する作品になっています。見終わった後にその関係性について考えてもらえるとより楽しめるのではないかと思います。音環の修了展HPで作曲者・上水樽さんの今作に関するインタビューが読めますので、あわせてご覧下さい。
 http://www.onkan2015.com/blog/2015/2/3/no25

今回の作品、演奏者17名は皆芸大生(又は芸大OB)という最強メンバーであり...録音・ミキシングを担当して下さった同じく音環の蓮尾美沙希さん、辻かよ子さんの仕事ぶりも素晴らしく、私は自分の作品というよりも「I'm here」チームの一員に入れてもらった気分です。凄く居心地のいい環境で制作ができ、ありがたかったです。是非観に・聴きにいらして下さい!


 


今回、何を一番重視して制作しましたか?

自分の精神面を崩さないことです。追い込まれないように、無理をしないように。でも負けないように。人の悪口を(なるべく)言わないように...嘘をつかないように...


 


制作の合間にしていた気分転換は何ですか?

ひとつのことに集中していると、それがうまくいっている間はいいのですが、いざ行き詰まってしまうととたんに病んでしまうので...他にいくつかの制作を平行させつつ、悩んだら別のことを進めるというふうに、なるべく手を止めないようにしました。万が一全てに行き詰まったら、ダメもとでも手を動かしてみるとか。あとカラオケとぷよぷよです。


在学中で一番印象に残った出来事は何ですか?

締め切りが近づくとみんな仮眠をするのでほぼ同期全員の寝相を知っているのですが、それぞれ個性があって愛らしいことです。





中内友紀恵さんの作品「I'm here」は横浜・東京会場共に「第六期生修了作品」プログラムにて上映いたします。

学生紹介:武田浩平(修士2年)



Q お名前と作品名を教えてください。

Helleborus Niger」(ヘレボルスニゲル)を制作した武田浩平です。


http://kt-stopmotion.tumblr.com/
人形アニメーションを制作してます。





Q 藝大に入る前はどんなことをされていましたか?
 また、なぜ本専攻に入ろうと思いましたか?

学部では社会学を専攻し、メディア関連の映像制作をきっかけにカメラを持ち始めました。そこからものを作るという事に没頭していき次第に創作寄りの作品を撮るようになりました。ピクシレーションでフレーム単位の制作に触れ、その後人形アニメーションにたどり着いたのが学部四年の卒業制作です。
ゼミの教授の母校であることから教授に薦められたことと、学部ではほとんど独学でやってきたものを専門的に学びたいと考えたため進学しました。






Q 本作品を作ったきっかけを教えてください。

方向性を決めるきっかけは、共同制作者である音響を手掛けた富川いず美さんのノンモン(無音)の演出を取り入れたいという提案からです。映像作品の重要な場面を音楽で盛り上げる演出は多く行われますが、そこに無音の演出を持ってくる事でそれ以上に雄弁になる可能性もあります。
状況や人物の動向・心情を提示しながら作品を描く途中、一部分に空間が生じることで他所とのコントラストによりその空白部分を観客の想像力に働きかけさせる演出が可能になるのだと思います。

そこで今作は、想像の余地を広げられるよう、明確に言語化できない混在する複数の感情、またそれらが移り変わる様子を描きたいという考えに至りました。 
         






Q 制作プロセスを教えてください。

脚本 - 絵コンテ - 動画コンテ - 素材の実験 - 造形 - 撮影 - 編集(隣りあう工程を行き来しながら






Q 今回、何を一番重視して制作しましたか?

音響や上述のテーマと重なって、直接的に語らないことを重視しました。周辺の演出で主要人物のニュートラルな表情に感情の動線を載せられるように努めています。





Q 制作の合間にしていた気分転換は何ですか?

気分転換とは少しずれますが、ラジオを聞いて撮影ブースである暗室内で麻痺した時間感覚を戻してました。




Q 在学中で一番印象に残った出来事は何ですか?

教授のご厚意でストップモーションのスタジオの数々を訪問できた事です。


武田浩平さんの作品「Helleborus Niger」は横浜・東京会場共に「第六期生修了作品」プログラムにて上映いたします。